「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
「いま…なんて言ったんだ?」
別れてって…。余りにも自分が考えていたことと違う展開に頭がついていかない。
「別れてほしいの。」
ティーカップを両手で包み込んだまま、そう繰り返す理沙。
「なんで…?」
思いがけず出た言葉だった。
自分も理沙に同じ言葉を言おうとしていたくせになんだかそう口にした自分が滑稽に思えた。
「あのね。私…他に好きな人ができたの…」
「好きな人…」
「そう。誠より…好きな人がいるの」
だから別れてと話す理沙の言葉が宙にプカプカ浮かびながら耳の奥にたどり着いた。