先輩の第一ボタン




先輩が右手を大きく差し出した。



手がグーに握られている。



訳が分からないけれど、掌を出してみた。




すると、丸められた紙が置かれた。




「・・・・・・ヘ?」





思わず声を出してしまう。




私が、驚いている間に先輩は目も合わさないまま、走って行ってしまった。




その時、私は気付いた。


先輩の第一ボタンだけ無い事に・・・・。



< 11 / 29 >

この作品をシェア

pagetop