先輩の第一ボタン



「はい。じゃあ、帰っていいぞー。」



皆が一斉にガタガタと席を立ち上がる。








でも、私は立てなかった。



先生の話しの間に先輩からもらった紙を広げて、衝撃を受けすぎたから。










"いらなかった捨てて。"






と書かれた紙には、ボタンが包まれていたのだ。





多分、第一ボタンだろう。




「愛音、帰ろ~」


「・・・・・・・・。」



那千がやって来たのにも気付かない。




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