先輩の第一ボタン
「愛音?・・・・どうしたの?」
ハッと我に返る
「な、なんでもない!帰ろう!!」
今は情緒不安定だ・・・。
「先輩、卒業しちゃったねー。」
「うん。」
「でもさー、本当に言わなくて良かったの?」
「うん。」
那千の話しも耳をすり抜ける。
別れ際になると、那千が真剣な顔で聞いてきた。
「ねぇ、愛音!変だよ。・・・何があったの?」
那千はごまかせないみたい。
「・・・・。そんな、重要な事じゃないよ。落ち着いたら話すね。」
一瞬戸惑ったけど、気持ちが落ち着いてから話す事にしよう。
「うん!待ってる。」
そう言って微笑んでくれる。
那千は、本当に優しい。