先輩の第一ボタン



「・・・でも第二ボタンは、」



「そう。栞ちゃんが持ってるよ。コレは第一ボタン」



自分で言って悲しくなる。





「意味分かんない。何で、第一ボタンなの?」





それは、私も分からない。


先輩にしか、分からない。



「分かんないの。無言で渡されたから。」



「無言?」



「うん。一言も話してくれなかった。」



那千もサッパリ・・・という顔をしている。




< 20 / 29 >

この作品をシェア

pagetop