腕いっぱいに抱きしめて


あたしの家は貧乏だ。


いや、元々は貧乏じゃなかった。


だけど貧乏になってしまった。


最近は、毎日ママとパパ喧嘩してる。


あたし辛かった。


愛されてない娘だけど、それでも両親が喧嘩してるのを見て嬉しい人なんていない。


あたしどうにかしたかった。


耐えられなかったのこんな生活。


だけど結局弱かっただけ。


もっとやり方はあったはず。


…なのに、あたしはそれしか思いつかなかったんだ。



家族を救いたい。



家族のため。



その一心だった。


5分もしないうちに返信が来た。


「おめでとう!君は運がいいね。丁度100人目だよ」


何て調子のいいことだ。


馬鹿馬鹿しい。


でも、それに乗るあたしは大馬鹿者。


分かってるけどもう引き返せなかった。


「仕事内容は読んだよね?今ならね日給3万が10万になるよ」


あたし食いついちゃった。


「どうしたら10万になるんですか?」


「一応面接があるんだけど、そのときにフェラしたら5万になってヤッたら10万」


やっぱりこういう手か…



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