腕いっぱいに抱きしめて
処女
「さーゆりー!おはよーっす!」
「おー!ちーちゃんおはよー!」
学校に行けば、常に笑ってるあたし。
何か分かんない。
けどいつも笑ってる。
「ねえさゆりー!さゆりってさあ彼氏いないの?」
「なんだし、ちーちゃんイキナリ」
「なんとなく!んで、どーなの?」
「彼氏はいないよ」
「は?はって何よ、はって。彼氏はいないってことは好きな人はいるんだ?」
「んまあ」
「はっきりしないなあー。まあいいや!どんな人?タメ?同じ学校?カッコイイ?身長どんくらい?お洒落?優しい?」
「ちょいちょい待って!!そんないっぺんに言われても…」
「あ、ごめん」
「ん、とね学校は違うよ。あ、でも中学が同じだった。三年間クラス一緒でさ、同じ陸上部で、同じ短距離で同じ200と100やってた」
「カナリ接点ありやん!てかさゆり陸上やってたの?」
あ、そこなんだ…。
「まあね。遅いけど…」
「強いわー。んでどこが好きなの?」
「そうだなあ…」
ここから小百合の回想シーンが始る。