漆黒の姫君
学校内に入ると、アリスは辺りを見渡した。


綺麗な造りの学校。


俊介によると、この学校はまだ、創立してから、4年の学校らしい。


「此処だよ。じゃあ、僕は、授業があるから先に教室に戻っておくよ」


「・・・」


アリスは無言で頷くと、クルリと身を翻し、理事長室に向かった。


コンコン


アリスは、扉をノックした。


「どうぞ」


中から、優しそうな声が聞こえた。


「失礼します」


そう言って、中に入った。


「君が城崎アリスさんだね。初めまして。俊介から、話は聞いてるよ」


あのお喋り・・・。


もう、私のことを話したのね・・・。


「・・・で、試験とゆうのは?」


アリスは、話を進めた。


「ああ、試験か。案内するから、ついて来なさい」


理事長について行くと、一つの部屋に通された。


〈特別試験室〉


そう書いてあった。


「この学校は、転入生も多いからね。試験を受けられる場所を、特別に作ったんだ」


理事長に通され、椅子に座った。


「じゃあ、試験の内容を説明するから、よく聞いておいて」


「はい」


「教科は、国語・英語・歴史・数学・科学の5つを行う。一教科、50分ごとに区切るからね」


「わかりました」


「始めるよ。・・・スタート!」


アリスは、シャープペンシルを手に取ると、試験を始めた。


――普通の人々の生活って・・・
   こうゆう物なのね・・・。―――



< 11 / 19 >

この作品をシェア

pagetop