漆黒の姫君
「はぁ・・・はぁっ・・・」
誰かが息切れする音。
「そんな・・・バカな・・・」
ソラがよろめいた。
あの時、アリスと俊介の手が触れた瞬間、何事も無かったように、魔術の球が消えてしまったのだ。
「何で・・・」
アリスが呟く。
この世界に来てから、使えなかった力が、手をつないだ瞬間に使えた。
俊介は、アリスと繋いでいた手を見た後、「あっ・・・ゴメン」と言って離した。
当のアリスは、何も気にしていなかったが。
「何で・・・そんな力が使えるんだ・・・?」
ソラは驚愕の表情のまま聞いてくる。
「さあね。大体、貴方って私のこと、知ってるの?」
「いや・・・話を聞いただけだ。
〈漆黒の髪の少女が持つ、ハートのトランプを奪えば、願いが何でも叶う〉
・・・と」
アリスは「はぁ・・・」と小さくため息をつくと、ソラに近づいた。
「そのハートのトランプって・・・何かしら?」
「お前、本当に知らないの?まあいい。教えてやる」
ソラはソファーに座ると、二人を促し、アリスと俊介も座った。
「トランプっていうのは、特定の人物が持っていると言われる物のことだ。
その中でも、ハートのトランプは、一番力をもっている者に与えられるという、力の結晶だ」
俊介は、その話に聞き入った。
目的は、アリスについて知りたいから。
しかし・・・。
知りたいことはもう一つあった。
なぜ、さっき、手を繋いだ時に力が出たのか。
「私の事を知らないのなら・・・。教えてあげてもいいわ」
「「!」」
ソラと俊介は、同時にアリスを見た。
「ただし・・・。私の問いに答えること。いいわね?ソラ」
ソラはコクリと頷いた。
俊介もアリスを見る。
誰かが息切れする音。
「そんな・・・バカな・・・」
ソラがよろめいた。
あの時、アリスと俊介の手が触れた瞬間、何事も無かったように、魔術の球が消えてしまったのだ。
「何で・・・」
アリスが呟く。
この世界に来てから、使えなかった力が、手をつないだ瞬間に使えた。
俊介は、アリスと繋いでいた手を見た後、「あっ・・・ゴメン」と言って離した。
当のアリスは、何も気にしていなかったが。
「何で・・・そんな力が使えるんだ・・・?」
ソラは驚愕の表情のまま聞いてくる。
「さあね。大体、貴方って私のこと、知ってるの?」
「いや・・・話を聞いただけだ。
〈漆黒の髪の少女が持つ、ハートのトランプを奪えば、願いが何でも叶う〉
・・・と」
アリスは「はぁ・・・」と小さくため息をつくと、ソラに近づいた。
「そのハートのトランプって・・・何かしら?」
「お前、本当に知らないの?まあいい。教えてやる」
ソラはソファーに座ると、二人を促し、アリスと俊介も座った。
「トランプっていうのは、特定の人物が持っていると言われる物のことだ。
その中でも、ハートのトランプは、一番力をもっている者に与えられるという、力の結晶だ」
俊介は、その話に聞き入った。
目的は、アリスについて知りたいから。
しかし・・・。
知りたいことはもう一つあった。
なぜ、さっき、手を繋いだ時に力が出たのか。
「私の事を知らないのなら・・・。教えてあげてもいいわ」
「「!」」
ソラと俊介は、同時にアリスを見た。
「ただし・・・。私の問いに答えること。いいわね?ソラ」
ソラはコクリと頷いた。
俊介もアリスを見る。