漆黒の姫君
パアンッ!!!!


アリスが閉じ込められていた、塔の中に、破裂音が響き渡る。


『何だ!?』


番人が顔に手をかざし、呻いた。


『まさか・・・力の封印が!?』


「そのまさかよ・・・」


答えたのは、アリスだった。


首にかけられていたハズの鎖は、なくなっており、あらゆる所にケガを負っていた。


「私は、自分で鎖を破ったの・・・。貴方に邪魔なんてさせるものか・・・ッ」


アリスは、薄れゆく意識を保ちながら、必死に言った。


『わかっているのか?その体で、力を使ったら・・・』


「知ってる・・・。その覚悟を決めて、ココにいるのだから」


『!』


番人の顔が驚愕の表情に変わった。


「はああああぁぁああああっ!!!!」


アリスは、精一杯の力を込め、叫んだ。


『やめろ―――――!』


番人が叫ぶのも構わず、アリスは力を解き放った。


凄まじい轟音と共に、閉じ込められていた塔が崩壊してゆく。


アリスは番人と共に、落ちてゆく。






――これでココから抜け出せのね・・・?
 私は・・・自由になれたのね?――
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