愛されたい、だけなのに~先生、信じてもいいの?~【1】
「圭吾、何言ったの!?」
目の前で起こった出来事に興奮したのか、蘭が身を乗り出して聞いてくる。
「内緒な。櫻井」
口に人差し指を立て、シーっとして見せた。
「えぇ!?気になるじゃん!ね、マナ何て?」
「…」
別に内緒にすることではない。
"柳先生の頬が赤いのは、私がキレて叩いたのが原因"
そう言ってしまえば、さっきのことはなかったことになる。