愛されたい、だけなのに~先生、信じてもいいの?~【1】
心からの望み


地上では吹いていなかった風が、屋上では風が身体を押すように吹いている。



屋上のフェンス越しに座り込み、空を見上げた。


今日は晴れていい天気のはずなのに、空が真っ暗だ。



何も見えない。



私の目に映っているものは、いつからモノクロになってしまったんだろ?




誰にも愛されない人間だから?



だったら、どうして私は生まれてきたの?

ドクン




「…っ」




誰にも愛されない。

「いや…」



愛されても…



「やめて…」



"もう…会うことはない"



ドクン



捨てられるだけー…



ドクン




「やめて!!」







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