愛されたい、だけなのに~先生、信じてもいいの?~【1】
「なんだよ、櫻井。また振られたのか?」
「…」
ここは、学校の中庭。
そして今、窓から顔を出して話し掛けてきたのは担任の柳先生(やなぎせんせい)。
「恋愛ってそんなもんじゃないんですか?」
「おいおい。17歳の女子高生が言う言葉じゃないぜ?もっと、青春を味わえよ」
苦笑いをしながら、先生は言う。
「…だって、これが現実でしょ?」
少女マンガみたいな恋愛が、現実にあるわけがない。
一途に誰かを愛し、愛されることなんて…
一時の想いだ。