愛されたい、だけなのに~先生、信じてもいいの?~【1】
"マンガの世界だけだよ"
と、突っ込みを入れようとした時だったー…
「期待を裏切るようだけど、絶対ないから」
マナの言葉を遮るように、背後から低いトーンの声が聞こえた。
「「!」」
悠里と顔を見合わせ、ゆっくりと後ろを振り返ると…
「「!!」」
「ほら、早く教室入れ」
紺のスーツを着た男の人がいた。
手には出席簿を持っているから、先生だということは確かだ。
でも、こんな先生見たことがない。
「…」
「新しい先生!?」
先に口を開いたのは、悠里だった。
顔を真っ赤にさせ、さっきよりも興奮している。
「新しい先生…まぁ、名前を知らないからしょうがないか」
ふっと笑みを含め、言った。