愛されたい、だけなのに~先生、信じてもいいの?~【1】
「冷めてるなぁ~、櫻井は」
ひょいっと窓を乗り越え、柳先生が隣に立った。
「そうですか?」
そんな柳先生に見向きもせずに、答える。
「感情も表に出さないし、本心も言わない」
「…」
「ぶっちゃけ、何を考えているかわからない生徒」
「…よく言われます」
今まで担任になった先生には、毎回言われた言葉。
「でも、唯一わかったことがある」
…わかったこと?
「…え?」
ゆっくりと隣に立つ柳先生を見上げると、目が合った。
「人一倍、傷つくのが怖い」