新撰組~変えてやる!!
「……未来…………この時代の150年先から……」
「嘘、はけ!!」
葵は真面目に答えたのだが、土方には嘘をついていると思われたようだ。まぁ、当たり前の結果だが…。土方は怒鳴り、葵を畳へと叩きつけた。
「グッ…………!?」
「とっ、歳!?」
近藤は、驚いて葵に駆け寄った。
「大丈夫か?……未来か………証拠はないのかい?」
近藤は葵を助けようとしていた。葵にもそれが分かり、考え始めた。
「そうですね……“豊玉発句集”…」
土方から、血の気がサッと引いた。
「“梅の花 一輪咲いても 梅は梅”…。」
近藤は、分からないといった顔をしていた。それに気付いた土方は、咳払いを1つして、何事もなかったかのように振る舞った。
「他は…?」
葵は携帯電話を見せるのを、一瞬戸惑ったが、その迷いを振り切ってケータイを取り出し、カメラ機能で土方と近藤の2人を撮った。
「うぉ!?なんだ、今の!!」
「なっ、なんだ!?」
2人は、刀を取ろうとした。
「刀はいけません!!土方さん、これは携帯電話という未来の機械です。え~っと…これを見てください。」
葵は、先程撮った写真を2人に見せた。
「なっ、なんだ!?」
「ぅお!?何故こんなに小さいんだ!?」
2人はそれぞれに持った疑問を口にした。
「これは写真です。」
「写真って……あの“魂を抜き取るアレ”か!?」
葵は、苦笑いした。それは土方の口から、恐れとも取れる言葉を聞いてしまった故のものだ。一方、近藤は興味があるらしく、まじまじと画面を見ている。
「そうですね。まぁ、魂は抜けませんがね…。」