新撰組~変えてやる!!
「土方副長…趣味悪いですね。しかも2回目ですよ。」
「隙を見せるお前が悪い。ガキはガキらしく言う通りにしな。」
葵は諦めたように溜め息をついた。
「ほら、葵!!口開けて♪」
「ん……」
葵は嫌々ながら、口を開いた。葵は目を見開いた。
「おいしい…うぁ~……平助が料理できるなんて、知らなかったよ…って副長!!いい加減に離してくださいよっ!」
「あ?……まあ、いいか。ちゃんと食えよ。」
土方から解放された葵は藤堂から粥を受け取った。次々に口に粥を運ぶ葵に、斉藤以外は見入っていたというが真実かどうかは定かではない。
「……そう言えば、葵っていくつなの?なんか、よくわかんないんだよね~…多分僕よりは上だと思うんだけど…」
葵は藤堂の唐突な質問に、きょとんとした。この時の葵は16歳。いくら藤堂が最年少でも彼よりも年上ということはない。
「俺は年下だと思うけど。というより、誰が何歳か、ちゃんと知りませんから。じゃあ、局長!!最初に歳、教えてくださいよ。」
「私か!?えっと…29だったと思うが…歳、どうだったかな…」
近藤は土方へ視線を移した。
「あってるだろ。俺、28だからな。」
「そうですよ。私が27ですからね。」
土方以外から声が聞こえたのでそちらを向くと、そこには山南が座っていた。
「で、確か源さんが34で、総司が21だった。」
続けて言ったのは土方だった。
「嘘…榊兄さんが28だから、土方副長と同い年で……叶兄さんが22だから……嘘だろ……なんで副長が老けて見えるんだ?」
「悪かったな、老け顔で……」
土方は少しすねたようにそっぽ向いた。
「俺、23!!」
「24!!」
「僕が19♪」
「同じく19……」
答えた順にいくと、原田、永倉、藤堂、斉藤だった。
「ほら!やっぱりそうじゃないですか。俺、16です。」
葵の答えに、その場にいた全員が固まった。葵は気にすることなく口に粥を運んだのだった。