新撰組~変えてやる!!
「4人は別の練習も追加します。これから顔を合わすことも多くなると思います。もう一度自己紹介しておきましょうか。俺は芹沢局長の元小姓でした、小宮 葵です。今は総隊長です。」
葵はニコッと微笑んだ。
「私は中村 金吾です。永倉先生の下で動いてます。」
「俺は宿院 良蔵です。金ちゃんと同じく永倉先生の下で動いています。」
“だから仲がいいのか”と葵は納得した。
「僕は林 信太郎といいます。原田先生の下にいます。」
「俺は浅野 藤太郎です。沖田先生の下で動いています。」
4人は互いにペコッとお辞儀していた。
「さて、自己紹介が終わったところで、素振り30回していてくださいね♪で、互いの悪いところを見つけたら言ってあげてくださいね。俺はさぼり始めた皆に喝を入れてきますから。」
葵はニッと笑って、走って行った。
午前中の稽古が終わり、葵はひとりで縁側に座っていた。山崎は“長州の奴らが出入りしている”との理由で土方から命令を受け町に出ている。
「葵!!午前の稽古、押しつけちまってすまねぇ…ひとりで平気だったか?」
慌てて庭から駆け寄ってきたのは原田だった。
「左之…別に……副長も失敗すること、あるんだね…稽古指導と見回り、おんなじ時間に入れちゃうなんてさ。」
「そうだよなぁ…ぁ、そうだ。お前、昼飯、もう食ったか?」
葵は首を横に振った。原田はそれを見て親指で先程までいた場所を指した。
「なら、俺たちと一緒に行こうぜ?蕎麦屋に行くんだぜ。」
「…そうだね。ひとりでいてもつまらないし…行くよ。」
原田の指差す先には藤堂と永倉と斉藤。藤堂は葵に気付き、大きく手を振った。葵は原田の後を追うように歩き出した。