新撰組~変えてやる!!
「葵、どうしたの?」
「何が?」
葵は顔を覗き込んできた藤堂に視線を移し、首を傾げた。
「なんか、ぼーっとしてるから。」
「そうかなぁ…そんなつもりはなかったけど。ぁ、左之だ。一もいる。」
葵は原田と斉藤に視線を移した。
「平助~!!葵~!!ぱっつぁんはまだ来てねぇか~!?」
「まだ来てないよ~!!今日は数が多かったし、手こずってんじゃない!?」
まだ、距離が離れているために原田と藤堂は声を張り上げて会話する。
「しっかしよ~…何で今日はこんな数が多かったんだ?いつもはもっと少ねぇはずだろ?」
原田が肩で息をしながら問い掛ける。
「さぁ…あ、そう言えば葵が入隊したての頃に甘味処に行ったことがあったんだけどさ、そん時も結構な数だったよ。」
「じゃ、この人数の多さは葵の追っかけか!?大人気だな…ま、顔がいいし当然のことか。」
原田と藤堂はうんうんと首を縦に振る。斉藤が葵の隣に座り込んだ。
「…何の話?左之や平助や一やぱっつぁんの追っかけじゃないの?」
「葵、もしかして無自覚?」
葵は藤堂の言葉に首を傾げた。
「わかってねぇのか!?葵、お前の追っかけだぞ!?俺らが見たことある奴、数人だけだったんだぜ。な、平助!!斉藤!!」
原田の言葉に2人は首を縦に振った。その時、目の前の路地からひとつの影が飛び出してきた。
「うはぁ~…きっつ~…なんだよ今日の奴ら、死ぬかと思ったぜ…。」
飛び出してきた影は、永倉のものだった。永倉はやはり肩で息をしていた。
「ごめんなさい…」
「…?何で葵が謝ってんだ?」
永倉は心底不思議そうにしていた。