新撰組~変えてやる!!

葵は、ゆっくりと隙を作り、1歩後ろへと下がった。藤堂は、ここぞとばかりに攻撃を仕掛けた。

 “よし……かかった!”

 葵は、藤堂の突き出した突きを半歩右へ飛び、かわした。体制をあまり崩さないのは流石だったが、少しだけ崩したのを葵は見逃さなかった。葵は素早く、藤堂の後ろへ回り込み技を仕掛けた。

 「小宮流・三段流し!!」

 葵は藤堂に横薙ぎを仕掛けた。が、藤堂に流された。葵は藤堂の動作の素早さに、舌を巻いた。しかし、葵も次の動作に移っていた。体を回転させ、その勢いで袈裟切りを仕掛けるが、それも藤堂に受け止められた。しかし、葵はしてやったりと不気味な笑みを浮かべた。

 「三段・初音!」

 葵は木刀を切り上げるようにして、葵に切りかかった。それを藤堂が避けた。葵はそのまま藤堂の脳天に木刀を振り下ろした。

 「っ!!………?」

 葵の木刀は、藤堂の頭上で止まっていた。審判をしていた土方も、自分の立場を忘れ、ただ立っていた。道場に居た4人は、同じことを思ったであろう。“舞を見ているようだ。”と。

 「……一本…で、いいですか?」
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