新撰組~変えてやる!!

 「ありがとうございます。」

 「…いや…」

 土方はぶっきらぼうに返事を返した。

 「…そう言えば、副長…俺の刀って、どうするんですか?確か、折れましたよね?新しいの買うんですか?」

 「…ん?そう言えば折れたんだったな。まだ決めてないが…それに、自分で決めた方がいいと思ったんだが…お前はどうしたいんだ?」

 土方の質問に葵は首を傾げた。それを察した土方が再び口を開いた。

 「…刀にも、相性があるからな。例えば山崎は長刀を好んで使っている。俺の“和泉守兼定”も長めだぞ。」

 「…あぁ…そうですね。なるほど………じゃあ、今度、一でも連れて見に行きますね。ぁ、出来れば副長も一緒に…。」

 葵は目を細めて笑った。

 「ぉ!?葵!!起き上がって大丈夫なのか!?包帯だらけじゃねぇかよ!」

 「ぁれ?ぱっつぁんだ。平助も…へへ…今は痛み止めが効いてるから平気だよ。」

 葵は見回りの帰りなのか、隊服を纏った永倉と藤堂に締まりがない笑みを向けた。

 「うわっ…締まりねぇのな…まだ熱でもあんじゃねぇの?ほら、お見舞いに団子買ってきたよ。」

 「ありがと~、平助~♪」

 葵はやはり締まりがない笑みを浮かべたまま、団子を受け取った。

 「布団に戻ろう、な?三色団子だよ。」

 「やったぁ!!」

 葵は比較的怪我の少ない右手を空に向かって突き上げた。

 「ほらほら、戻って!!ちゃんと食べて、早く治してよね!」

 「そうだぞ。治ったら祝いついでに、また5人で行った蕎麦屋に行こうぜ!そん時は俺の奢りなっ!」

 永倉はニッと笑った。葵は藤堂に促されるままに、布団へと戻った。

 
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