新撰組~変えてやる!!
•6 9月26日
「葵、どないしたんや?どっか、調子でも悪いんか?」
「…別に。何で?」
「何や、元気あらへんから…。何もないんやったら、それでええんやけどな。」
庭の石を蹴り飛ばしている葵を、山崎は不思議そうに見ていた。その後も、葵は屯所の庭で石を蹴り続けたという。
翌日、昼…
いつまで経っても起きてこない斉藤に痺れを切らし、葵は斉藤の部屋に向かっていた。本来ならば、出掛けていてもいい時間帯なのだ。
「一!!入っていい?」
「…構わん。」
短い斉藤の返答に、葵は勢い良く襖を開けた。
「一、何で起きてこないの?いつもはあんなに早起きなのに。もうお昼だよ?」
「…すまん…少し、体が重くてな。」
葵は斉藤の額にいきなり手を置いた。多少のことでは動じない斉藤の肩がビクッと跳ねた。
「う~ん…熱ではなさそうだけどね。調子悪いなら、無理しない方がいいね。」
「しかし、今日はお前の刀を…」
斉藤が途端に申し訳なさそうな表情になった。やはり、いつもと違う。
「今度でいいよ。ほら、今日は休んでおいて。」
「…すまん…」
葵は斉藤を布団に寝かせ、部屋を後にした。向かう先は土方の部屋。
「…副長?今日買いに行く予定だった刀ですけど、一の調子が優れないようなのでまた今度にします。」
葵は襖の外から声を掛けた。
「そうか。わかった。」
「では、失礼しました。」
葵はさっさと土方の部屋の前から移動した。