新撰組~変えてやる!!
「そ、総隊長~…」
「…またですか…。で、今度は誰なんです?」
本日、三度目の登場である平隊士は言葉を詰まらせた。が、それも葵の“早く”という言葉に重々しい口を開いた。
「…そ、…それが……沖田隊長がお呼びで…しかも、その…小さな女の子を連れていまして…」
「…女の子…?」
葵は考え込みながら、門へと向かった。
「…舞、ちゃん…、なんでここに…」
「…総司郎兄はんから聞いた。…蒼兄はん、新撰組の人やってんな……楠木の兄はんも…」
葵はキッと沖田を睨み付けた。それに沖田は肩をすくめるだけだったが…。舞が小さな声で話し始めるまで葵は沖田を睨み付けたままだった。
「…ごめんさい…うち、兄はんの気持ちも考えんと…蒼兄はんは悲しくないんや、なんて勝手に思い込んで…お仲間が死んで悲しまへん人はおらへんのに…」
「舞ちゃん…いいんですよ。舞ちゃんを傷つけてしまったんじゃないかと心配していたんで、だいぶ元気になったようで良かった…」
葵は舞の頭を撫で、微笑んだ。それに舞も笑顔をこぼした。
「あんな、あんな…また、遊ぼな…」
舞はそれだけ言って沖田と一緒に歩いて行ってしまった。
「…いったい、何なんだ?」
葵は来客の多さに首を傾げながら部屋へと戻った。