新撰組~変えてやる!!

 葵は次々に現れる平隊士達を永倉に背中を預け、着実に倒していった。そして周りから人が消えたのを確認し、葵は大きく息をついた。

 「…案外疲れるな、これ…ぱっつぁん、これからどうするよ?」

 「そうだな…俺は平助んとこに行こうと思ってる。まぁ、たどり着けるかはわからねぇけどな。」

 葵は長くなった前髪をかき上げ、木刀で打ち合う音がする方に目を向けた。

 「…ぱっつぁん、こっち側は何人減ったと思う?」

 「……さぁ…16人くらいじゃねぇか?それがどうかしたか?」

 葵は永倉の問いには答えず、目を閉じて少し考え込んだ。そしてゆっくりと目を開け、上を見上げた。

 「じゃあ、平助は任せるよ。ぱっつぁんは、できれば左之と合流して。俺は一を探して、沖田さんのとこに行く。副長と源さんには平隊士の相手を頼んでるから、会えたら、俺が沖田さんの相手をしに行ったって言っておいて。」

 「わかった。怪我、しねぇようにだけ気を付けろよ。」

 葵は頷き、木刀の打ち合う音が聞こえる方へと足を向けた。無言のまま歩く。

 「総隊長!覚悟っ!!」

 通りかかったすぐ横の部屋からの不意打ちを、葵は何とか防ぎ力を込め、隊士の持っていた木刀を弾き飛ばした。

 「…まだまだ甘いね…。気配の消し方はそれなりに良かったと思うよ。」

 葵は、自身の木刀を隊士の首へと押し当てた。

 「ぁ、ありがとうございます!これからも精進致します!」

 威勢良く言った隊士に微笑みかけ、葵は再び歩き出した。だいぶ距離が近付き、隊士に囲まなくている人の姿が誰なのかわかった。

 「…一……」

 隊士に囲まれた状態の斉藤は、相当焦っていた。葵は斉藤の背に斬り掛かった隊士の首に静かに木刀を当て、そのままスッと斉藤の背をかばうように立った。

 「っな!葵っ!?」

 「…助太刀するよ。」

 葵はニッと不敵に笑った。

 
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