新撰組~変えてやる!!
•4 芹沢 鴨
「芹沢さん、新見さん…。」
芹沢 鴨。新撰組の筆頭局長である。その横暴な振る舞いから、会津藩の命により土方らの手によって暗殺された。
「お主…名は?」
芹沢は、目を細めて葵を見た。
「こ、小宮 葵と申します……。」
葵は、芹沢の目を見て言った。
「ふむ…気に入った。ハッハッ!土方よ!今宵は酒宴だ!ハッハッハッ!」
芹沢はその場に、高笑いを残して去っていった。土方は2人の姿が見えなくなってから葵に話し掛けた。
「……前言撤回だ。おめぇ、あいつの小姓やれ。」
葵の頭の中を、嫌な予測がぐるぐると回る。
「えっ!?あいつって……芹沢の事!?」
葵は祈った。“どうか、芹沢ではありませんように…”と。しかし、その微かな希望は見事に打ち砕かれたのであった。
「ハッ!?他に誰が居るってんだ?なんなら、俺の小姓にしてやっても―」
「結構です!!やりますよ!!……土方さんの小姓やる位だったら、芹沢の小姓やる…」
葵は、土方の言葉を遮るように言った。最後の方は小声で言ったのだが、運悪く土方にも聞こえたようだった。見るからに土方の機嫌が悪くなった。
「ククッ…芹沢の小姓は決まったな…おめぇ、あいつの動向を俺に報告しろ。いいな!!」
「………わかった。」