新撰組~変えてやる!!
-夜……
新撰組屯所内のある一室で、ドンチャン騒ぎをしている部屋があった。
「静まれ!てめぇら!!」
その一室に、襖を勢い良く開け放っ音と土方の怒声が響き渡り、その場は静まり返った。そこに近藤の焦ったような声が聞こえた。
「ま、まぁまぁ…歳、そんなに怒らなくても…」
「…ったく、近藤さんは甘いから…」
その言葉と同時に、再び部屋が騒がしくなる。葵は、部屋へいつ入るべきか悩んでいた。チラッと襖から顔を覗かせ、様子を伺っていた。すると、土方が入れと言うように小さく手招きした。葵は深呼吸し、土方の側に寄った。
「皆、聞け!今日からこいつがこの組に入った。」
土方は葵の肩に手を乗せた。一気に皆の視線が葵に集まった。
「こ、小宮 葵です。よろしくお願いします。」
「こいつには通常隊務の他に、芹沢局長の小姓の仕事もしてもらう。そうだな…総司!!隊務の方の指導は任せた。」
「は~い♪」
土方に総司と呼ばれた少年はニコニコ顔で葵を見、ペコリと頭を下げた。
「よし、主役も来た事だ。おめぇら!!今日は皆、パーっとやんな!」
土方が隊士達に向かって言った言葉に隊士達がワッと盛り上がり、一気に宴会モードへと戻っていった。
「おい、小宮…芹沢ンとこに挨拶に行くぞ。」
土方が葵を連れ、芹沢の元へと向かった。
「芹沢さん…小宮を連れてきました。」
「御苦労…。下がっていいぞ。」
芹沢は側へ来た土方に、下がるように言った。土方もそれに従い下がった。新見が小さく舌打ちをした音が聞こえた。
“新見のヤロー!!今に見ていやがれ!!”
そうは思いながらも、葵は誰もが見惚れるような素敵な笑顔で、芹沢らに挨拶をした。もちろん、新見への嫌味なわけだが……。
「改めまして、小宮 葵と申します。よろしくお願いしますね!」
芹沢もそれに応えるように軽く微笑んだ。
“あれ……?イメージと違う…。”
新見は、暫く葵を睨むようにして見ていた。