新撰組~変えてやる!!
「沖田さん…あの……。」
「あっ♪小宮さん!!どうしましたか?」
沖田は、葵にニッコリと笑い掛けた。そう、葵がやって来たのは沖田の所だった。
「その、これから、よろしくお願いします。」
「いえ、こちらこそ。わたしは、沖田 総司です。私は厳しいですから、覚悟して下さいね♪」
沖田は、素敵な笑顔でそう言った。
沖田 総司 <オキタ ソウジ>。新撰組内では、1,2を争う程の剣の腕を持っている。“天成の才を持っている。”と言われる程の剣客だったが、労咳(結核)に侵されて死亡する。
「はいっ!!その、1つだけお願いがあるんですが……」
「“お願い”ですか?何でしょうか?」
沖田は、興味深々といった様子で葵を見た。葵の頬は、紅潮していった。
「今度、俺と試合してください!」
「本当ですか!私も言おうか迷っていたんです!喜んでお相手します♪」
葵と沖田の目が合った。2人は、子供のように笑い合った。その後、葵は斉藤の居場所を聞き、その場へと向かった。斉藤は、1人静かに酒を飲んでいた。葵は、声を掛けて良いものかと一瞬考えたが、覚悟を決めて声を掛けた。
「……お一人のところ申し訳ありませんが、少しよろしいでしょうか?」
斉藤はちらっと葵を見、頷いた。
「今日入隊しました、小宮 葵です。」
「俺は、斉藤 一だ。」
斉藤は、無愛想に返事をした。
斉藤 一<サイトウ ハジメ>。新撰組内で、沖田と同等の力を持っている。詳しい素性は分かっておらず、“会津潘の隠し目付けだったのでは!?”という説も残っている程だ。
「……平助から聞いた。………今度、手合わせ願いたい。」
葵は、正直驚いた。“自分も同じことを考えていた。”と。もちろんのこと、葵の答えは1つだけだった。
「もちろん、喜んで!」
葵は、輝くような笑顔を斉藤に向けた。葵は、斉藤に一礼して残りの3人の元へ向かった。