新撰組~変えてやる!!

 「最後に!俺ァ、原田 左之助だ!!」

 原田 左之助 <ハラダ サノスケ>。槍を得意とし、腹に切腹傷がある。口癖が、“斬っちまえ!”のためについたあだ名が“斬れ斬れ原田”。このからわかるように相当な馬鹿だが、男前で長身、しかも色白。かなりもてたという。

 “黙ってればいいものを…”

 そうは思いながらも葵は3人に向けてニコッと笑った。葵は暫く3人と話した。主に女性のことだが…。

 「小宮さん、少しよろしいですか?」

 そう声を掛けてきたのは、山南だった。

 「山南さん!どうしましたか?」

 山南は、葵に微笑んだ。

 「土方君が呼んでいましたよ?」

 「土方さんが?…分かりました!すぐ、行きますね!!では失礼します、藤堂さん、永倉さん、原田さん、山南さん!」

 葵は4人に頭をさげ、土方の元へと向かっていった。その時、少しだけ悲しそうに山南が微笑んだのを見たのは、永倉と藤堂だけだった。

 「お呼びでしょうか、土方さん。」

 「あぁ……小姓の仕事について説明する。よく聞けよ?」

 土方は念を押すように言ってから、説明を始めた。

 「いいか?おめぇの役目は、表小姓だ。主に昼間に働いてもらう。芹沢が何をしていたか俺に報告しろ。万が一、あいつが町人に手を出しそうになったら、出来る限りのことはしてくれ。仕事内容はそんなもんだ。」

 葵は大袈裟に溜め息をついて、小言を言った。

 「……おおざっぱですね~…。しかし土方さん、通常隊務はいつ行えばいいのですか?昼は小姓なんですよね?」

 土方は杯を持ち、そこに酒を注ぎながら言った。

 「あぁ。大体は、夜の見回りだ。安心しろ。見回りに入れる日は、事前に報告しておくつもりだ。」

 言い終えてから土方は杯に注いだ酒を、一気に飲んだ。飲み終わった土方は葵に、今夜とりあえず寝る場所を案内するために立ち上がった。

 「……案内する。行くぞ。」

 土方はそれだけ言い、宴会を開いていた部屋を葵を連れて後にした。
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