新撰組~変えてやる!!
「小宮さん、ずるいです~!なんで私も誘ってくれなかったんですか!?」
「え!?ぁ、すいません。」
葵は、なぜ責められているのかも分からないままに謝った。
「葵が謝ることじゃないよ。総司も総司だよ。誘って欲しいなら人に奢らせてばっかりじゃなくて、自分からも奢りなよ。」
藤堂は葵の肩に、ポンと手を置いた。沖田は、拗ねたように口を尖らせた。
「平助は本当にケチですね。少しくらいいいじゃないですか!」
「総司の少しは団子10本だろうが!!それは少しに入らないんだよ!?葵、行こう?ここにいたら、総司に奢らさせられる。」
藤堂は店員に金を支払い、葵の横を通り過ぎていった。
「ぇ、ぁ…へ、平助!!待ってよ!」
葵は、戸惑いながら藤堂を追い掛けた。ただ、沖田の目の前に来たときには、“すいません。失礼します。”と言い残し、平助の後を追った。
「本当に、困った人逹ですね。」
葵逹が去った後に響いたその言葉は、虚しく響いたという。
「総司の奴……今日は口きいてやんないんだから!」
「まぁまぁ、許してあげなよ…俺が世話になる人なんだからさ~…。」
先程までいた茶店から、2人は屯所へ向かい歩いていた。藤堂は、ムッとした表情をしたまま歩いている。
「沖田さんは悪い人には見えませんしね。」
「知ってるけど…。」
「ぁ……」
葵は歩みを止めた。藤堂がいきなり止まった葵を不思議そうに見ている。
「どうしたの、葵?」
「平助…、あれって永倉さんと原田さんじゃない?」
葵は、前を指差した。
「おっ!ほんとだ!!お~い!左之~、ぱっつぁ~ん!」
藤堂が声をあげたことによって、前方の永倉と原田が振り向いた。