新撰組~変えてやる!!

 「平助に小宮じゃねぇか。どうしたんだよ?」

 原田が駆け寄ってきて藤堂の肩をポンっと叩いた。

 「葵と出掛けてたんだ。」

 「甘味処に平助と行ってきたんです。沖田さんにも会いました。」

 原田は“そうか。”と言いつつ、葵の頭を撫でた。そうしているうちに永倉も歩いてきた。黒いオーラを出しながら。

 「左~之~?自分の隊士の面倒くれぇ自分で見ろよ。なんで俺がお前んとこの隊士にまで、指示出さなきゃなんねぇんだよ…。」

 「わりぃわりぃ。すまねぇな、ぱっつぁん。」

 原田が謝った途端に、永倉は先程まで出していた黒いオーラを引っ込めた。

 「平助も小宮も、屯所に戻んだろ?一緒に行かねぇか?」

 永倉は、そう言って人当たりの良い笑みを浮かべた。その問いに葵と藤堂は了承の答えをし、2人は原田と永倉に挟まれるような形で、屯所に向かい始めた。

 「原田さん!槍、見せてください!」

 葵は、暫く歩いたところでそう言った。

 「ん?おぅよ!ほれ!」

 原田は肩に担いでいた槍を、葵に差し出した。それを受け取り、葵は驚いた。

 「重たっ!!…なんですか?これ…」

 「なにって…、ただの槍だ。見んのは初めてか?」

 葵は素直に頷いた。

 「こんなに重いのを振り回すんですね…。びっくりしました。人間、ひとつはいいとこがあるんですね…。」

 「おいおい、そりゃぁどういう意味だよ…。」

 原田が、すかさず葵に突っ込みを入れた。藤堂と永倉は、腹を抱えて笑いだす。

 「葵、…左之のこんな顔…ククッ!葵、最っ高~!!」

 「ホントだな!小宮、最っ高!」

 藤堂と永倉は、それぞれに葵の肩に手を置いた。
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