新撰組~変えてやる!!
•3 “生”と“死”
沖田と共に見回りをしていた葵は、屯所への帰り道に背中にピリッと電気が走るような感覚に陥った。ふと沖田を見れば、刀に手を掛けていた。
「2人で出たのは、間違いでしたかね…。ひい、ふぅ、みぃ…5人もいますね…囲まれているようです。」
沖田が立ち止まると同時に、沖田が言った通り顔を隠した男達が5人、葵達を囲むように現れた。
「沖田 総司だな?」
ひとりの男が沖田に声を掛けた。
「でしたら、なんです?」
沖田が答えた途端に、男達は一斉に抜刀した。それに、沖田も応えるように抜刀した。葵も、刀に手を掛けた。
「仲間の仇!覚悟!!」
ひとりが沖田に斬りかかったのを合図に、他の4人も斬り掛かりにきた。
「長州の方々ですか?なら、斬っても問題ありませんね。」
沖田の刀が鋭く光った。と、次の瞬間には、肉を斬る嫌な音と男の断末魔の叫びが聞こえた。
「なっ!!」
男が殺されたことにより、男達の殺気が一気に増した。
「うああぁぁあ!!」
男が葵に向かって斬りかかってきた。
“斬られる………!!”
そう思った時には刀を鞘から抜き、男の腹を真一文字に斬っていた。
「小宮さん、平気ですか?」
葵の背に寄り添うようにしながら、沖田は刀を構えた。
「沖田…さん…。はい、大丈夫です。大丈夫……」
吐き気を我慢しながら、葵も沖田に応えるように刀を男達に向かって構えた。
「では、早めに終わらせてしまいましょうね?」
沖田は、葵を安心させるように優しく声を掛けてから男達に斬りかかった。葵も小さく頷き、ひとりの男の前に立ちはだかった。