新撰組~変えてやる!!
•4 局中法度
結局、眠れたのは朝方。葵が眠れるまで、山崎も共に起きていたのだった。だが、眠れたのは一時間程度。寝不足だと分かる目をしたまま、山崎と共に朝食を食べに行った。
「葵!!おっはよ~…って!どうした、その隈!!」
「…おはよ~…平助~、ぱっつぁん、左之~…」
葵は3人の前を、ひょいっと片手を上げてスルーした。
「あ、おはよーございます…芹沢局長、新見副長…」
「お、お前…どうしたんだよ、その目…寝不足か?」
いつも葵と対立していた新見が、珍しく葵の心配をした。そのことに少し驚きながらも、葵は怪訝な顔で新見を見た。
「新見副長こそ、どうしたんですか?人の心配をするなんて…あっ!なんか、悪い物でも食べました?」
「んな!?人が素直に心配してやってんのに、なんだよ!」
葵はいつもの新見に戻ったことに安心し、クスッと小さく笑った。
「~~っ!!こ~み~や~…」
新見と葵が口論になりかけた時、2人の頭に激痛が走った。
「いっっだぁああ!!」
声を上げたのは新見。葵は、涙目になりながら激痛の原因を見た。
「何するんですか!!芹沢局長!」
「毎朝毎朝、煩い!会う度にいがみ合いおって…」
芹沢の手は、両方ともグーの形になっていた。
「少しくらい、仲良くしないか!!よし、罰として今日の新見に頼んだ買い物、2人で行くんだ。よいな!」
「何故です!?何故俺がコイツと一緒に!?」
真っ先に声を上げたのは新見。続いて葵も声を上げた。
「そうです!!なぜですか!!」
「ったく…。煩いと言うとるに…。とにかく、2人で行くのだ…よいな!!」
芹沢は話にならないとでも言うようにさっさと自分の席へと行ってしまった。葵と新見は暫く睨み合っていた。
「……準備が出来たら、門に来い。いいな。」
「……はーい…」
葵は、新見が自分の席に向かうのを確認してから、自身も席へとついた。