新撰組~変えてやる!!
「新見、頼まれた物は小宮に渡しといた。」
葵は新見の隣へと駆け寄った。新見は無言のまま頷き、店から出た。
「あ…新見副長!!」
「行きなよ?置いてかれちゃうよ?」
雫は、やはり人の良い笑顔で葵の背を押した。
「はい!雫さん…また来てもいいですか?」
雫は一瞬、驚いた表情になったが、すぐにまた笑顔になった。
「もちろんさ!待ってるよ♪」
「ありがとうございます、雫さん!!」
葵は雫に手を振り、新見の後ろを追い掛けた。
屯所に戻った葵達は、真っ先に芹沢の部屋へと向かった。葵よりも先に店を出ていた新見は近くの甘味処で団子を買っていた。そのため、新見の腕には団子が20本も入った袋が掛かっている。
「失礼します。芹沢局長…小宮 葵、只今戻りました。」
葵は、襖ごしに芹沢へ声を掛けた。
「おぉ……入れ…。」
葵と新見は返ってきた返事の元気のなさに、顔を見合わせた。
「し、失礼します。」
葵は、ゆっくりと襖を開けた。芹沢は、何かを諦めてしまったような表情をして、座っていた。
「芹沢局長、頼まれた買い出し等、全て完了しました。」
新見はそう言って、団子を芹沢の目の前に置いた。葵は、芹沢の目をじっと見詰めた。
「芹沢局長、何かありましたか?」
葵は、芹沢に詰め寄った。それを新見も心配そうに眺める。芹沢は、暫く迷っていたのか、話そうとしなかったが、決心が付いたのか、ゆっくりと口を開いた。