新撰組~変えてやる!!
•5 決意
「“局中法度”…それを…了解したのですか…?何故です!?俺達が、切腹させられるのは、目に見えているでしょう!?」
全てを話した芹沢に、新見が今にも噛み付きそうな勢いで言った。
「出番は…終わったのだ…。潔く、儂は切腹しようと思っておる…新見…お前は…どうするのだ?」
芹沢は新見に問い掛けた。
「……そうですね…俺と、あなたの仲です…俺も一緒に…」
新見は芹沢に頭を下げた。
「芹沢局長…新見副長…何を、言って…」
葵は目の前の光景を疑った。
「…小宮…、お前に頼みたいことがある…土方と近藤に、儂達が局中法度により、切腹したいと言っていたと話してきてくれんか?」
「あぁ…、俺からも頼む…」
芹沢も新見も葵を縋るように見ていた。そんな目で見られては断れない。
「け、けど…」
「小宮、局長命令だ。よいな。」
まだ、迷う葵に芹沢はきつい顔をして言った。
「し、承知いたしました。」
葵は震えそうになる声を必死に抑え、芹沢の部屋を後にし、近藤の部屋へと向かった。
「失礼…します…。近藤局長、入っても…よろしいですか…?」
「ん?小宮君か?」
近藤は中から襖を開けた。そこには珍しく、山南、土方もいた。
「失礼、します。」
「葵君…どうしました?君らしくありませんよ?」
山南は、近藤の目の前に座り、俯いてしまった葵を見て言った。身体は、カタカタと音を立てそうなほどに震えていた。
「………、芹沢局長と新見副長より、伝言を申し付けられました。」
「伝言?」
近藤は、震えているせいか、普段よりも小さく見える背中を見詰めながら反復した。