新撰組~変えてやる!!
「…っ、ありがとうございました!!」
葵は、芹沢に深く礼をした。
「うむ!これほどに心が躍ったのは久々だ。…礼を言う。」
芹沢はニッと笑った。何もかもをふっきれたようなその笑みは、葵には少年が笑っているように見えた。
「小宮!!次は俺の相手だぞ!!」
新見は、待ちきれないとばかりに木刀をぶんぶんと振り回していた。…正直、危なっかしい。葵は新見に、芹沢が葵に見せたような不敵な笑みを見せた。
「はいはい…一、合図お願い。」
「あぁ…。」
葵は新見に挑発するような眼差しを送った。
「っ!!…てめぇは…毎度、毎度癇に障るような…。フフッ…いいだろう…その挑発、乗ってやるよ…。」
新見は不気味に笑った。
「では、…はじめ!!」
葵は、斉藤の声が聞こえたと同時に新見の頭を狙って、木刀を振りかざした。もちろん、その攻撃はかわされた。
「へぇ~…けっこうできますね…。」
「当たり前ぇだ!あんな見え見えの太刀筋、かわせねぇわけないな!!」
新見は、ふんっと得意げに鼻を鳴らした。葵も、挑発するように鼻を鳴らした。
「今度は、こっちからだ!!」
新見は、素早く葵に打ち掛かった。葵は予想外の動きの速さに、慌てて木刀で受けた。新見は、葵が体勢を整えきれていないのを好機とみたのか、ぐっと木刀に入れる力を強めた。
「っ…!?」
葵は新見に押され、ズッと足が後ろにずれるのを感じた。新見は葵がしたように、不敵な笑みを作った。
「~~!!」
葵は、一か八かの勝負に出ることにした。葵は、新見にされるがままになった。