新撰組~変えてやる!!
•2 文久3年
「……ん…あれ…?」
葵は、見慣れぬ景色を見ている。“見慣れぬ”というよりも“見知らぬ”という表現が合いそうだ。
「私は……ホッチキスを買いに行って………それから……」
葵は、自分が何故このようなところに居るのか、思い出している。
「それで……車に引かれて……なんでこんな所に……病院……なわけないし…」
思い出したはいいが、葵は今自分が居る場所に戸惑っていた。葵は裏路地のような場所に居た。
「とにかく、人に聞くのが一番だよね…よし!とりあえず、賑やかな方に行こ~っと!」
葵は裏路地を少し歩き、賑やかな通りに顔を出した。
「…………時代劇?いやいや、なんで!」
葵は慌てて覗かせていた顔を引っ込めた。そしてそのまま壁へともたれ掛かり、考え込んでしまった。
「いたぞ!捕まえろ!!」
「……は?うっそ!刀!?とっ、とにかく逃げなきゃ!」
葵は、浅葱色の羽織りを着た男達に追い掛けられるままに走った。
「……いでっ!!」
後方に気を取られていたせいか、誰かにぶつかったようだ。