新撰組~変えてやる!!
「あれ?新見副長、どうしたんですか?芹沢局長には、夜しか面会できませんよ?」
「小宮か…。別に、面会という訳ではない。……なぁ、あいつのとこにいかねぇか?」
葵は首を傾げた。
「あいつって、誰ですか?」
「…雫だ。」
葵は、“あぁ…”と思い出したように声を上げた。
「…どうする?行くか?」
「はい。お願いします。」
葵が“はい”と答えたことに、新見は満足そうに笑った。葵は、なぜか満足げな表情をした新見を不思議そうに見つめた。
「…雫さん!!こんにちは!」
「ぉお!!小宮じゃないか!新見も一緒に来たのか!?」
雫は突然の訪問者にも、人当たりのよい笑顔で招き入れた。顔見知りということもあったのかもしれないが…。
「…わりぃかよ…大体だな、お前、仮にも女だろうがよ!もっと女らしくしろよ。ただでさえ少ねぇ嫁の貰い手もなくなっちまうぞ?」
「ぅ、うるさい!アタイのことなんか、どうでもいいだろ!」
雫はべーっと舌を出した。
「人が心配してやってんのによ…まぁいいさ。それより、こいつ、預かっててくれねぇか?一刻も掛からねぇからよ。」
「もちろん!任しておきな!」
雫は頼もしく胸の辺りをドンと叩いた。
「小宮、来て。前に言ってた話、してやるよ。半刻くらいで終わる。」
雫は言ってから葵の腕を引っ張り、奥へと連れて行った。新見は、葵達の姿が見えなくなってから、店を出て行った。
「さて、どっから話そうね~…つまんないかもしれないけど、アタイの身の上話からがいいかもね。」
適当な場所に男のようにあぐらをかいて座った。葵も雫の隣に座り、手を組んだ。