新撰組~変えてやる!!
「壬生…浪士、組…?」
「…知らぬか?まあ、無理もなかろう。ここの者ではないようだしな。」
芹沢は、バッと立ち上がった。
「儂は、そろそろ戻る。ここは廃屋だ。確認を取ったが、誰も使っていないらしいからな。使うといいだろう。」
「あ、ありがとう。」
芹沢は満足げに笑い、新見もそれについて行った。
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それが、2人との出会い。あの人らはさ、横暴なとこや、仕事しないこと、酒癖が悪いとことか、悪いところがいっぱいあるけど根っこのとこは、アタイみたいなのも助けてくれるくらい、優しいよ。」
「そうなんですか…“泣く子も黙る壬生浪士組”の筆頭局長が…」
葵は考え込むように、目を閉じた。
「…分かる気がします。」
「小宮~!!帰るぞ~!」
入り口の方から聞こえた声に、葵は慌てて立ち上がった。
「ったく…新見!今、行く!!…ほら、小宮、行くぞ。あいつはせっかちだから!!」
「はい!!」
葵は、雫の後ろに続いた。新見は、壁にもたれかかっている。
「小宮、行くぞ。…っと、雫。」
雫は、一度出ようとした新見が向き直ったことに驚きつつ、次の言葉を待った。
「…色々、世話になった。芹沢さんの分も含めて礼を言う。…“ありがとな。”そんだけだ。」
「…な、なんだよ…まるで、二度と会えないみたいな言い方してよ。よせよ。」
新見は、苦笑した。
「…相変わらず、勘のいい女だ。…明日は来れねぇから、今日でお別れだ。」
「…ぇ……?」
雫は、ただ、呆然としていた。