新撰組~変えてやる!!
広間には、いつもの半分位の人数しかいなかった。いつも通りの席の場所の隣には山崎がぼーっとして座っている。
「す…幸人!!朝、体調悪そうだったけど大丈夫?」
「ん…何や、体がだるいわ…少し目眩もする…」
葵は山崎の額に素早く手を当てた。必然的に葵の顔が山崎に近付くことになり、見る見るうちに山崎の顔が赤くなっていくのだが、葵は気が付いていないようだ。
「ん~…まだ熱はなさそうだけど…無理な運動は控えて。って、大丈夫!?顔、真っ赤になってるぞ!?」
「何でもあらへん。やから、気にせんといてくれ。」
葵は不思議に思いながらも山崎から手を離した。そこに、眠そうな目をこすりながら斉藤がやってきた。
「一、おはよう。」
「…あぁ…」
「眠たいの?」
「………あぁ…」
葵はいつも以上に無口な斉藤に、苦笑いした。斉藤は、今にも寝そうになるのを必死に耐えている。
「……困ったことになったぞ…」
「……何がや?」
葵はふわっと笑った。ただ胸の内では“いつも以上に無口な2人に挟まれるのは嫌だなぁ…”と、考えていた。
「…いよいよ、今日か…」
葵は、いきなり後ろから聞こえた声に慌てて振り返った。
「……そうだね、ぱっつぁん。あっ、おはよう。」
「あぁ、おはようさん。そんな顔してんじゃねぇよ。」
永倉はそう言ってぽんと葵の肩を叩いてから、目の前に座った。
「そんな陰気な顔すんなって、なっ!!」
「…そうだね。そうだよね!!ありがと、ぱっつぁん…」
永倉は、ニッと笑った。