球児に恋をした
***君の名前***
試合会場についたころ
ちょうど準備してる声が
聞こえて、ほっとした。
着いてすぐ休む間もなく
試合開始のブザーが鳴り響いた。
そのグランドには縦じまの
ユニフォームを身にまとった
上島中学校の野球部員が
開始のあいさつをしていた。
いつもより後ろ姿が
たくましく見えた。
そして、いつもテレビで
しか見たことのない
電光掲示板にみんなの名前と
上島中学校の名前と
そして、
君の名前。
が
映し出された時今までに
無いってくらい感動した。
自分が変だ
って思ったけど
感動したものは感動したから
来て良かったッ。
「クスッ」っと自然に
やわらかく笑みがこぼれた。
気のせいかな?
思わず
もっと見ていたい
かっこいい
とか思っちゃう位その時
グランドにいた9人は
とてもかっこよかったんだ。
とても輝いてたんだ。
そして、9人並んでる
他の誰より君が好きだった。
他の誰より輝いて見えた。
他の誰よりかっこよかった。
忘れもしない切ない秋の
風が吹いたあの日あの瞬間。