意識の融解
しかし今日もまた、答えが見つからない。

この、モヤモヤとした感情を解決する糸口が見つからない。

まぁ、いつものことではあるのだが。

「はぁー」

と、私はため息をついた。

わかっている。

自分との決着を付けなればならないのだ。

学生時代、『世界征服』談義をするときはいつも仲間が一緒だった。

同志に護られた安穏とした環境の中でしか、私は戦意を持てないのだ。

勝てる環境下でないと戦えない。私は勝てる戦しかしてこなかったのだ。

私が敗戦を恐れる臆病者だと悟ったのはこの星空の下だった。

己の司令官たる自分はそれを良しとしない。

だから、私は自分に任務を課した。

負け戦をするという、任務を。




『戦え、突き進め!

己とすら戦えないやつは、決して世界の頂点には君臨できない!

負けて、這い上がれ!』


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