友達以上恋人未満。



「んな顔しても、全然恐くないし。」


そう言って潤は、私の頬をつねる。


「いひゃいひゃん。」


「ぷッ、んじゃオレ先行くわ。」


「えッ??一緒に行かないの??」


「今はちょっと、な。」


潤が手を振りながら行ってしまう。


『行かないで、行かないでよ。』


『ねぇ、何で私の声は届かないの??』


私はまだ、自分の胸の中に芽生えた気持ちには気付かなかった。


ただ、潤の後ろ姿を見ながら立ち尽くしていた。



< 121 / 228 >

この作品をシェア

pagetop