二人の約束
家へ着いた。不思議と涙はない。



お見舞いに行きたいけど、検査入院の三日間は会ってはいけないと言われた。



ピンポーン



誰だろう。お客さんなんて珍しいな。

ドアを開けるとお母さんが立っていた。



「お母さん。どうしたの?」



私は嬉しそうに言った。

「退屈だったから、来てみただけよ。」



そんなのウソだ。陸の入院のことを電話で話したから、私のことを心配して来てくれたんだ。

< 122 / 161 >

この作品をシェア

pagetop