林檎の恋の仕方。

放課後のきっかけ


朝のHR。
今度授業参観があるとかで、前の席から順番にプリントが回ってきた。
私の前の席は間宮くんっていう、坊主頭で野球一筋な男の子。
あんまりクラスでも騒いでるの見た事ない、寡黙なイメージ。
私もクラスじゃ目立たないし、間宮くんとも全く話した事ないけど……。


「……はい、栗山さん」


わ……っ、こっち見てる…っ。


「ぁ、ぁ………あり、が……と……」


間宮くんにちゃんと聞こえたのかな…?
プリント回したらすぐ前を向いちゃったから、聞こえなかったかも…。
こんなんじゃ感じ悪いだけなのに、なぁ……。


男の子と話そうと思っても、恥ずかしくてすぐ顔が赤くなる。
少女漫画を読んで恋には憧れても、実際は男の人を好きになった事もない。
こんな自分に自信なんてないよ…。












「はぁーっ、今日も1日終わったぁー!!」


授業聞いてると眠くなるんだよねーとばかりに、のびをするまこちゃん。


「千奈ー、今日バスケ見に来る?」

私は運動苦手だから何にも入ってないけど、まこちゃんはバスケ部のレギュラーなんだ。


「うん、行こうかな」


家にもあんまり帰りたくないし…な…。















体育館の隅に体育座りして、さっきから時計とにらめっこ。
門限は六時だから、あと10分くらいなら見てても平気かな。
私は運動が苦手だから、バスケで活躍してるまこちゃんは格好いいし羨ましい。



私がボールを必死で追いかけるまこちゃんを見つめてる時だった…。



「陸くーん!カワイー♪」
「かっこいい~」


向こう側で男子バスケの活動中だったんだけど、陸くんが人数合わせで参加するみたい。
女の子の見学もすごくて、本物のアイドルみたいだな……。
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