遥かなる愛の花束を。
「大丈夫よ・・・・大丈夫」
私は口元に小さな笑みを浮かべて言った。
すると
未怜は見上げた瞳のまま
痛ましそうな表情を私に向けた。
グラスに映る私の表情は
未怜のそれよりもさらに痛ましく目に映った。
―いったい
何をいまさら恐れることが
あるかと言うのか。
彼が帰ってくるのは
そもそも当たり前の話なのに。
彼が日本を旅立って
そしていつの日か舞い戻ってくるのは
そう
最初から決まっていた“事実”なのだから。
わかっていたはずだったのに・・・
それでも。