遥かなる愛の花束を。
「せっかくの休みだったのに悪いな」
成田空港を出て
恭佑の車に揺られながら千葉の街を下っていく。
「気使うなよ」
恭佑はハンドルを握りながら、昔からのひょうひょうとした表情でそう言った。
俺が恭佑のその仕草にクスリと笑みをこぼすと
恭佑は、心外そうに
「3年振りに相棒が帰ってきたんだ。迎えにくらい行くさ」
と言って
―俺はそこまで薄情じゃない―と肩をすくめた。
俺は変わらない恭佑に、自然と声を出して笑ってしまう。
笑い出した俺を横目に、恭佑は不機嫌そうに眉をしかめた。
俺は恭佑のその仕草でさえも笑いが増強してしまう。
おかしくてたまらない――
俺がそのまま笑い続けていると
ますます恭佑は不機嫌そうに眉をしかめた。