遥かなる愛の花束を。



「せっかくの休みだったのに悪いな」


成田空港を出て
恭佑の車に揺られながら千葉の街を下っていく。


「気使うなよ」

恭佑はハンドルを握りながら、昔からのひょうひょうとした表情でそう言った。

俺が恭佑のその仕草にクスリと笑みをこぼすと

恭佑は、心外そうに


「3年振りに相棒が帰ってきたんだ。迎えにくらい行くさ」


と言って

―俺はそこまで薄情じゃない―と肩をすくめた。



俺は変わらない恭佑に、自然と声を出して笑ってしまう。


笑い出した俺を横目に、恭佑は不機嫌そうに眉をしかめた。


俺は恭佑のその仕草でさえも笑いが増強してしまう。



おかしくてたまらない――



俺がそのまま笑い続けていると
ますます恭佑は不機嫌そうに眉をしかめた。








< 21 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop