遥かなる愛の花束を。



俺は止まらない笑いをこらえつつ

「悪ぃ、悪ぃ」


となまじりに溜まった涙をすくった。

久々に笑いすぎたせいか、肺が大きく揺れた。


呼吸を整えようと深呼吸を繰り返していると

俺のそんな姿でさえ、

自分が馬鹿にされているーと感じている恭佑が

それこそ苦虫を潰したような表情で言い放った。



「ホントだよ。お前がいなかったら今日はデートだったんだ」



その恭佑“らしい”言い草にこらえていた俺の笑いが再びもれてしまう。


本当に恭佑らしい――


恭佑の憎まれ口が懐かしくて仕方がなかった。


その懐かしさに思わずグッとくるものがなきにしもあらずだったが
それさえも隠すように

俺は再び笑いの渦に一人、嵌まってしまった。


今度はそんな俺を見ても
恭佑は眉をしかめはしなかった。

それどころか柔らかい表情で微笑みを称えていた。



俺は恭佑のその仕草にドキッとしてしまったが

やはりそれすらも

“恭佑らしく”て

懐かしさが込み上げてしまっていた。








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