遥かなる愛の花束を。



ひとしきり恭佑に懐かしさを感じていると
それと同時にこれまでの恭佑との思い出が俺の中に浮かんでくる。

本当に懐かしい思い出たちだ。


楽しかったこと、嬉しかったこと、笑い合ったこと、一緒にバカやったこと・・・

もちろん苦しかったことも多かったけど、それすらも懐かしい――


懐かしい思いに包まれながら、窓を眺めていると
ふと、さっき恭佑が放った言葉がずしりと胸にささった。



恭佑との思い出と同じ年数が経っているハズなのに

懐かしい―そう表現することはできない、

生々しくて痛々しい記憶――


一度“それ”を意識してしまうと逃れることはできない


いろんな割り切れない感情がぐるぐれと体中をうねる。




「・・・そっか。デートだったのか」


俺がぼそり、と言うと

恭佑は前を向いたまま

けれども目は見開き、

そのまま固まってしまった。



――しまった・・・



そんな言葉が聞こえてきそうなほど、恭佑の表情はそう物語っていた。








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