俺の愛を、お前に捧げる
そう言うと「はい」と答え俯いた。


「市之瀬拓真」

っと言うと、バッと顔を上げた。


「…ごめんな」

市之瀬の目を見てはっきりと伝える俺。

市之瀬は「え?何で?」っという表情をしていた。


「俺のせいで、お前の兄貴が自殺した。これは間違えない。ほんとに悪かった。俺は何でも罰は受ける。好きなようにしてくれ」

っと俺は目を瞑った。



少したち市之瀬が「目を開けて下さい」と呟いた。

俺はゆっくりと目を開けると市之瀬優しく微笑んでいた。


「私こそ、西口君にあんな事してごめんなさい。私、お兄ちゃんが自殺して、その理由を竜怨の方々に聞いて、ついカッとなってこんな事をしてしまったんです…」


…なんで。

なんで謝んだよ。

悪いのはお前じゃないのに。

俺なのに…。



< 13 / 51 >

この作品をシェア

pagetop