俺の愛を、お前に捧げる
「…私、そろそろ帰ります」

俺から視線をそらし、ゆっくりと立ち上がる市之瀬。


「あ、メアド。教えておきます」

「え?」

「私もまた会いたいですから」

そう言いながらにかっと笑う市之瀬。


――ドクン。


「…お、おう」

俺もポケットから携帯を取り出し画面を開いた。


メアドを交換し終え俺は「送っていく」と呟いた。


「あ、いいです!歩いて帰れますから!」

っと市之瀬は言うがもう外は真っ暗だった。

「危ない。送る」

「…ありがとうございます」

申し訳なさそうに彼女は呟いた。


俺はスタスタを歩いていると市之瀬は俺の歩幅に合わせようと必死だった。

なので、俺は歩くスペースと少し遅くしてみた。

市之瀬は「ありがとうございます」と言ってくれて、俺はなんだか照れくさかった。



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